日ごろより『SHONAN・デザインシステム』をご愛顧いただきまして、まことにありがとうございます。

今年も家づくりを通して、たくさんの方との出会いがありました。その中で、皆様からいただいた多くのお言葉に励まされ、どれだけ刺激を受けたことか。おかげさまで、本当に充実した毎日を送ることができました。心より感謝申し上げます。

2006年も、より安心快適な住まいに関する情報をお届けできるよう、スタッフ一同がんばります。
今年に引き続き、来年もご愛顧いただけますようよろしくお願い申し上げます。

なお、12月28日(水)から1月6日(金)までは、年末年始のためお休みをいただきます。


最後に、弊社の代表・福田のコメントをご紹介して、2005年を締めくくりたいと思います。

新しい年が皆様にとってさらによい年でありますよう、心よりお祈り申し上げます。


住まいは、住む人ありき
              
 <SHONAN・デザインシステム 福田 徹>

私も以前は、戸建て分譲会社におりました。その中で、過去におよそ100棟以上の物件のお引き渡しにかかわってきました。分譲企画を行うセクションでしたから、会社からコストのことは常に言われていました。そのため、業界の体質的なことはよく理解しています。

ただ私の場合は、木造住宅が主。ですから、コストをけずるといっても、限界があったのも事実です。住まいの安全性を考えた場合、柱を細くすることなどは到底できませんし、私にもプロとしてのプライドがありますから、今回の耐震偽装事件のようなことは絶対ありえません。


そもそも会社をつくったのは、このような理由からでした。

1.コスト重視、消費者不在で造られていく住まいへの疑問。建売りが嫌いだったことも一因です。

2.一部不動産業者の住まいに対する意識レベルの低さ。そして、そのシステムで住宅が造られていくことへの不満や疑問。

3.いつからか始まった「住まいを買う」という選択。この選択しかなくなった消費者の方に、違う方法があることを伝えたいと思いました。

4.自分の住まいも、コーポラティブで造りたいと思ったから。もしかするとこれは、業者を選ばれる際、大切なポイントとなるかもしれません。


耐震強度偽装事件を通じて見えてくるのは、お客様不在ですべてが進んでいくことに問題があるのでは?ということ。

住宅は他の商品と違い、企画や開発者のマーケティングだけで造られてはいけないのではないでしょうか。マンション(もとは公団の造った団地)も建売り住宅も、近年の高度成長期ごろ生まれた住まいの作り方。ハウス55計画などもそうですが、すべては国の政策として、年間50万戸以上の住宅供給という目標値を作って始まったことのようですから。。。


「モラル」という言葉があります。これがある、ないというよりも作り手や売り手さまざまな場面で、消費者の顔(住人)が見えてこないから今回のような事態が生まれるのかなとも考えます。

たとえば、毎日3時に職人さんにお茶を出す習慣。近年では、戸建てでも、このようなことはなくなったようですが、そんなふうにもてなされたら、大工さんたちは手抜きなど、できなくなるのではないでしょうか。昔は家を造るとき、それが当たり前でしたし、施主も気になるから見に行くこともあったと思うのです。

都会に建つマンションなどでは、無理かもしれません。ですが、マンションでも購入予定者が集まって建設組合をつくり、建設中にその代表者を選定。建築士アドバイザーをつけて、現場を見に行くことは実現可能なはずです。

ついのすみか、となるかもしれないマイホーム。そのほうが、住人参加型の住まいづくりになるのでは?と思うのです。時間と労力はかかりますが、大きな買い物ですから、ある程度は仕方ない部分もありますね。


国や行政は、そうそう頼りになりません。少し寂しい世の中ですが、自分の利益は自分で守ることを考えないといけないのかもしれませんね。


現在、弊社が力を入れて取り組んでいる「コーポラティブ」という考え方。たとえ違う方法であったとしても、“住む人ありき”ですべての住まいが造られていくことを私は心から望んでいます。そしてその中で、ひとりでも多くの方とごいっしょできる機会があれば、うれしいです。